・衆院・参院の政治的なねじれ現象を起因に税制改正動向が不確実性を帯びているが、先ずは税制改正を選挙のタイミングや政争の具に使わないでほしい。また、政局に国会開催が利用されるのではなく、東日本大震災や福島第一原発事故など喫緊の課題で本質的な議論を早急にして欲しい。福島原発事故も事故後の経緯を公開し検証することは大切であるが、国会ではそれよりも今後どういう方針で臨み、世界に情報発信していくのかの議論を優先して頂き、国会開催費用を無駄に使わないで欲しい。
・先例をたどれば、与党から税制改正大綱等が記載されることにより、事実上税制改正が決定するのではなく、具体的な議論を事前に開示し、広く知らせ意見も求めてから決定してほしい。他の法律と同様にパブリックコメントの制度を導入できないだろうか。
・小泉内閣以来、相当多くの歳出カットの努力が伝えられたが、我が国財政は債務残高対GDP比が主要先進国の概ね2〜3倍の約150%と危機的な状況にあり、未だに多大な財政赤字を抱えている。今回の東日本大震災に伴う復興費用負担も追い打ちをかけるが、これを将来の少子高齢化の進む国民が年金や医療費も含めて、何らかの方法で負担しなければならない。将来の世代の負担軽減の為にも景気浮揚を第一に税制改革に臨んでほしい。
・日本の国土のほぼ4分の1は国有地であり、その中には都心部や高級住宅地の中に10年以上も未利用地もあり、非効率な利用例も数多く見受ける。利用しないものは払い下げ、非効率なものは合同庁舎にまとめて残りは払い下げるべきである。
・昨今の社会保険庁、農林水産省、防衛省を初めとした民間の世間常識ではとても考えられない不手際が続く中で、とてもまだ今すぐの増税に応じ兼ねない。
・また、民主党政権になってから始まった「事業仕分け」で国民の前に数多の無駄・削減すべき歳出や依然として継続している天下りコスト等が公然になったことは一定の評価に値するが、道半ばであり、増税の前にすべきことは沢山あるのではないだろうか。
・昨年のドバイショックやギリシャ・ポルトガルの信用不安など世界経済の不透明感が増し、世界同時不況が発生しやすい現環境下、国民の負担増の前に、より一層の聖域なき行政改革、社会保障、公共事業、地方財政の歳出の削減を長期にわたり断行する必要がある。
|